「いずれローンが終われば負担がなくなって、豊かな老後が送れる」は幻想

2012.01.23

本来、欠陥がなければ払う必要もなかったはずの修繕費用まで、大半の人は何も知らずに負担させられてしまっている。ローンの支払いが何十年間にも及ぶ個人の住宅やマンションがこのような状況なのだから、この国では、住宅にかかるコストは膨大な額になってしまう。マンションを購入するときにほとんどの人は「いずれローンが終われば負担がなくなって、豊かな老後が送れる」と思うのだが、現状からすれば、それは幻想にすぎないことになる。

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つい最近まで「土地神話」が染み渡っていた事情においては、不動産は「値上がりする土地」であり、その上に乗っている建物はただの消耗品の「上物」であり、ゆえに建物の品質など、日本人にとってはさほど重要でなかったのかもしれない。見方を変えれば。売るほうが売るほうなら、買うほうも買うほうで。だから戦後の日本には、まともな性能を備えた建物を供給するシステムが育たなかったともいえる。マンションの場合でも区分所有権という土地の権利さえ翻っていれば、土地神話のおかげで購入時より確実に値上がりして所有者が損をすることはほとんどなかった。ちなみに、マンションやビルの建設工事中に業者がよくやる手抜き(故意の構造上の欠陥)には、先の溶接の手抜きも含めて次のようなものがある。